ハイキング講座 第3回講義「山の天気・天気判断」
日時:令和元年6月18日(火)19:00~21:00
参加人数:受講生32人、スタッフ15人、計47人
講師:山下正文
隙間なく埋まった部屋で、時間ピッタリに講義が始まった。今日は、「天気図を読んで山の天気を予想し、山行に備えることができるようになる」のが狙いの講義だった。講義は、自分たちとすれ違った別のパーティーが10月8日の立山で雪の中遭難した話から始まった。講師自らの体験談に、遭難を身近なものとして感じ、しっかり天気を判断して山行に臨まなければと身が引き締まる。
気象の基本として、高気圧に低気圧、温暖前線に寒冷前線、雲の発生のメカニズム、雷の避難法、高度・緯度・風速による気温の低下の度合いなどを勉強した後、天気図からその日の気象状況を各自予想する練習問題をした。今年3月、大滝山で福山の男性が亡くなった時の天気図にもとづき学習した。東シナ海に高気圧が張り出し、低気圧は青森あたりとオホーツク海に二つある。これなら四国は晴れあるいは曇りでさして天気は悪くなかろうと思っていたら、講師曰く、高気圧と低気圧の差が40hPaあるから風が強いはずだ、とのこと。実際その日の高松の風速は17mだったそうで、天気図をいろんな方向から検討する難しさを知った。
後半は、山行の数日前から天気予報をチェックし、入山前に気象判断をすること。山に入ってからは、雲や風・気温・展望の変化をパーティーみんなで観察し、共有すること。そして最悪の事態を想定して行動すること。また、山行中の脱水・熱中症・低体温症・高山病・高山での日焼けに対する予防・対処法を学んだ。
最後に参考文献も紹介され、もっと勉強しようと思わされる講義だった。